種をまこう!

1週間前、山に秋の匂いが訪れた。ここにいるつもりだと、それは私に囁いた。私はこの季節が大好きだ。夏の喧噪のあとの穏やかな静けさ。

蜂もそれを知って、夏の最後の香りを集めようと忙しく動き始める。今年は厳しい冬になるかもしれない。昨日、在来種のソバとニンニクの種を近所のおばあちゃんから分けてもらった。「来年、同じだけのソバを持ってきて」。帰りがけに彼女は言った。きっと持っていこう。

F1種を使わずに60億人分の食糧を賄えるか? もし30億人が自分で食糧を育て、農家やコンビニの仕事がなくなったら? 食糧を輸送せすに済めば、電車や船や飛行機には何を乗せよう?
学生不足に悩む大学は、太陽光発電を教える夜間部を設けて中年層を再教育してはどうだろう。あるいは農業大学に在来種有機栽培コースを設置したり、世界中の料理人のために、自家菜園の食材で斬新な伝統料理や現代風料理を出す新しいレス卜ランのあり方を教える学校をつくってもいい。アイデアは種!この「ブラネット・ガーデン」にアイデアという種を蒔けるのは人間しかいない。

この地球を養うのに十分な、健康的で自然な食べものを育てることは可能だ。人間や虫だけでなく、ほかの植物、動物、鳥、そして傷ついたDNAなどすべてのいのちを養うことができる。人間はこの地球上に存在するいのちの一つに過ぎない。ほんのちっぽけないのちだ。私たちは新参者で、いまだにこの「畑」での生き方を学んでいる。

この世界を育てているのは植物だ。植物が土と大気を育み、酸素と有毒ガスの濃度をも司る。動物や人間が生きられる環境を整えてくれているのも植物。そう、私たちは自然であり、自然は私たち。人間はそれ以上には進化していない、少なくとも今は。だからこそ最低でも、この自然なる地球の中で自分たちを養っていく方法を学ぶ必要がある。

今年から始めよう。家庭のペットボトル畑から、またはベランダや畑、隣の畑から。この小さな始まりから、次世代の食を大きく変革するのに必要な人々を集めていこう。この「プラネット・ガーデン」と、すべてのいのちのために、新しい食のあり方を想像しよう!


謝辞:このページは、一般社団法人全国信用金庫協会のご厚意により、業界機関誌「Monthly信用金庫 2013年12月号」掲載の本稿を転載させていただきました。