種をまこう!

私たちの未来は、私たちの過去から育まれる。私たちの今日の食べ物は、私たちが過去にまいた種。

子どもたちが将来食べるのは、私たちが今日まく種。

あなたは今日、よい種をまきましたか?

子どもたちに、いったいどのような遺産を渡しますか?

この地球に、どのような遺産を渡しますか?

明日を育むために、今日の私たちがある。何を残して、何を捨てるのか。それは私たちの選択、生き方次第。

日々、賢い選択をしよう。私たちには、食糧生産の新しい仕組みが必要だ。

私の祖母は、種から自分の畑で育てたものしか食べなかった。祖母が種の秘密を教えてくれたおかげで、私はこれまでずっと、自分の食べ物を自分で育てることができた。

みんなの食の未来をよりよいものにするためには、生きたDNAを持つ在来種を増やして、過去と未来を深くつなげていくことがとても大切だと思う。そうすれば、「本物の種」と「本物の食べ物」が次世代、さらにその先の世代にまで受け継がれていく。私たちの過去が、私たちの未来をつくる。

日本もかつては米がお金だった。米は毎年育ち、何百倍にも増えた。ひと粒の米が100粒にもなった。これが本物の成長、本物の利益。

私には明るい未来が見えるー私たちの、より健全で賢明なライフスタイルが創り出す明るい未来が。だから、よく考えよう。私たちはどう生きたいのか、子どもたちのために日々何の種をまくのか。

私の知るところでは、今、市場に出回っている食べ物の95%はF1種で、私たちや子どもたちのDNAを傷つけている。古来のDNAが生き続ける、本物の食べ物を食卓に届ける仕組みが必要だ。

子どもたちが安心して食べられる在来小麦、そば、大豆を。本物の種のDNAには、ビタミンやミネラルなどの栄養素と、本物の未来をつくり出す生きたDNAがぎっしり詰まっている。

安全な食べ物、安全な未来。本物の食べ物、本物の未来。

古来の生きたDNAを持つ在来種と、その土地の水、その土地の循環、その土地の光、それだけでいい。F1種はいらない。農薬も、化学肥料も、菌糸瓶※も、毒入り家畜糞も、人工的な自然も、温室栽培もいらない。

在来種を保証するマークがあるといい。「在来種認定マーク」を目印に買い物ができるように。お店でも在来種の野菜をリクエストする。それを私たちの日課にしよう。その積み重ねが未来をつくる。

新しい食の仕組みも新しい金融機関の仕組みも、同じ道の上にある。

※きのこ菌を蔓延させたオガの入った瓶。菌床。


謝辞:このページは、一般社団法人全国信用金庫協会のご厚意により、業界機関誌「Monthly信用金庫 2015年6月号」掲載の本稿を転載させていただきました。