種をまこう!

自然農法では、農作物の手入れをするのは2回だけ。種を撒く時と、収穫する時。そのどちらも、月の満ち欠けに合わせて、最善のタイミングで行う必要がある。

ほうれん草のように地上に生える野菜は新月に、ジャガイモのように地中に育つものは満月に、というように。

これらの時期の野菜は、私たちがビタミン、ミネラル、味などと呼んでいる“エネルギー” に満ちあふれている。

野菜は、何か月もかけてこのエネルギーを蓄積する。太陽や月の光を葉や果実に換え、次世代の種を守り、育てながら。

この時期は、野菜や米、果実にとって、エネルギーを吸収するサイクルのピークに当たる。それは、太陽や月の光、雨の周期にも完璧に寄り添うリズムで、動物たちにとってもちょうど、あらゆる栄養素や養分を吸収しやすい時期になる。

ハウス栽培の果物や野菜など、季節外れのものを食べるべきでないのは、このためだ。外見上の色や形はそれらしく見えるかもしれないが、中身は偽物の栄養しかなく、私たちの身体にとっては、むしろ害となる。

何かを食べるということは、次世代の種や赤ん坊を奪っているのだということを、私たちは常に覚えておく必要がある。私たちは食べる時、トマトの種をのみ込み、大根が花をつけて種を残す前に、土から抜いてしまっているのだから。
お金についても同じことが言える。周期、タイミング、収穫には、すべて山と谷がある。満月の日に株式を見てみるといい。お金を集め、それを他者の手の届かないどこかに保管するということは、エネルギーやその活用法を奪うことを意味する。

エネルギーは流れるためにある。それは、地球の潤滑油のようなもの。食べもしない余分な大根を土中から引き抜くことについて、もう一度考えてみる必要がある。

また、お金を人目に触れないよう保管することについても——。

私は今年の収穫期、北海道で行われたオーガニックセミナーで講師を務めた。北海道では、有名なポテトチップスメーカーのために山のように大量のジャガイモが栽培されていた。保存料と化学調味料まみれのポテトチップスを生産するために、広大に広がる化学肥料まみれの畑。なぜ? 銀行口座にお金を蓄えるため。人々の健康という犠牲の名のもとに。

「収穫が欲に変わるのは、どの時点からだろう?」

秋も深まった今、このことについて考えてみよう。


謝辞:このページは、一般社団法人全国信用金庫協会のご厚意により、業界機関誌「Monthly信用金庫 2015年10月号」掲載の本稿を転載させていただきました。