種をまこう!

経済成長は終わった。

破綻した産業、破綻したシステム、破綻した国々とともに、経済成長は停止した。フードチェーンはかつてないほど不健全で、人々は病み、疲れている。民主主義は奪い去られ、環境と教育は壊滅的だ。

果てなき成長をグローバル化させ、拡大させ続けることが本当に賢明なのだろうか?

グローバリゼーションは限界にきている。

ポスト経済成長?

ローカライゼーションは、生産者と消費者の距離を近づける。ローカライゼーションはコミュニティを再生させ、人々の健康とアイデンティティを強化する。なぜなら、ローカライゼーションは借金に基づいたシステムではなく、現実に根ざしたECO-nomy(経済)だから。エコロジカル・フットプリント(人間の経済活動が自然環境に与える影響を、地球の表面積に換算したもの)は大幅に減り、雇用も充実する。ローカライゼーションは多国籍企業による独占に歯止めをかけ、民主主義を推進する。ローカライゼーションは、中間業者やマージンを取る人々を一切介さずに、地域と国際社会を直接つなぐものだからだ。

ローカル・フードは雇用を生み出し、中間業者ではなく農家に直接収入をもたらす。化学肥料や殺虫剤の使用も減らすことができる。農的にも野生的にも多様性を豊かにする。より新鮮でおいしくて、健康的で栄養価の高い食べものを消費者に届けることができる。包装や梱包、冷蔵、運送、エネルギー消費や汚染を減らし、土地生産性を高め、カロリーベースの生産性も高められる。漁業、林業、製造業、建築資材や繊維についても同じことが言える。

地域に戻ることは、過去の生き方に戻ることではない。それは先駆的な発展で、利益や価値を地域コミュニティに還元することだ。自然や地域経済を「元に戻す」新しい方法を、最新技術と伝統的な手仕事とを融合させながらつくり出していく必要がある。

東京・丸の内の土地は1坪1億円で、私の住む地域の土地は1坪2千円。でも、丸の内では自給することはできない!!私の住む地域は自給し、さらに丸の内にも食糧を供給している……。どちらが本当の中心だろうか?

世界各地でこの新しいECO-nomyシステムが根付き始めている。CSA(地域支援型農業)、ファーマーズマーケット、地域通貨はイギリスの90以上のトランジッション・タウンで稼働し、北米の地域生活経済ビジネス連合(Business Alliance of Local Living Economies=通称BALLE)を動かしている。グローバル・エコビレッジ・ネットワークは日々拡大し、約3億人の世界のビア・カンペシーナ(スペイン語で「農民の道」の意。中小農業者の国際的農民運動)に追いつこうとしている。

ためらう必要はない。ポスト経済成長?今日からローカライゼーションを始めよう!


謝辞:このページは、一般社団法人全国信用金庫協会のご厚意により、業界機関誌「Monthly信用金庫 2017年12月号」掲載の本稿を転載させていただきました。