種をまこう!

もっと買え、もっと食べろ、もっと消費しろ、もっともっと・・・

そんな時代は終わった、もう限界だ。銀行も国家も破綻寸前だ。消費者もこれ以上買うこと、さらなる贅沢を本当に望んでいるだろうか?

ポスト経済成長?

カーシェア、レンタルバイク、交換制度、地域通貨、オフィスシェア、ジョブシェア、エアービアンドビー、コモンズ、ファッションレンタル、ウィキペディア、シード・ライブラリー、生活協同組合、ポイントカードシステム、スマホのアクセスデータなどは、すべて中央集権型の経済システムを迂回する。

世界人口の1%が世界のお金の99%を支配している。上記に挙げた、これら「その他」のシステムは、その不均衡のバランスをとるために、必然的に発生し育ってきた。

私たちは今、ポスト経済成長の時代にいる。ピラミッド型の管理社会は、分散型の個人対個人のネットワークにとって代わられようとしている。

公益を目的とする共同体、コモンウェルス。これは直接的かつ双方向のシステムで、細かい書類や完全な税申告をものともしない。

従来のピラミッド型集権体制に基づく原料調達、製造、運送、流通、ブランディングとマーケティングは、崩壊している。近所の百貨店や洋服店、スーパーマーケットや広告会社に最近、どれほどの赤字かを聞いてみるといい。

地域で生産された地域の名産品を、国の内外を問わず個人が直接購入していくというのが、交換制度の新しい常識だろう。地域の名産品は、在来種の作物でもいいし、木材など地域の自然資源を使って作られたものでもいい。これは、人間がその環境に与えるイン
パクトをめざましく変えることになる。

石油の消費量は大幅に減り、エネルギーも、わざわざエネルギーを使って長距離輸送されてくるのではなく、地域で生産される。仲介業者へのマージンがない分、地域雇用が増える。食べものはよりていねいに生産され、保存料も少なく、新鮮なまま届く。

税や利益は地域内で循環し、富は公平に分配される。新しいECO-nomyはエコであるもの。ECO-nomyこそが新しい会計基準。エコでなければ、それは良い事業とは言えない。地域に支持されなければ、CSRで誤魔化すことはできない。

今年は大きな変化がたくさん起こるだろう。でも真の変化は、地域の人々が、お金ではなく本物の富を育て、得ること。

地域のものを買おう。本物の財政の未来を育てよう。


謝辞:このページは、一般社団法人全国信用金庫協会のご厚意により、業界機関誌「Monthly信用金庫 2018年2月号」掲載の本稿を転載させていただきました。