種をまこう!

貨幣制度が登場する前、ビジネスは物々交換で成り立っていた。モノやサービスが自由に交換され、貨幣は交換の媒体ではなかった。それはもう過去のことだろうか?本当に?

現代の物々交換は、当然ながらインターネットやスマホ、田舎のおばあちゃん、仲介・管理する会社などを介して行われている。では、これらの物々交換による経済はどれくらいの規模だろう?

米国の国際相互貿易連合(International Reciprocal TradeAssociation、以下IRTA)によれば、物々交換は記録に残らないため規模を捉えにくいが、その市場は120億~140億ドル相当だろうといわれている。そしてこの半分は、伝統的な物々交換組織や企業間バーターによるものだ。

そもそも物々交換とは、会社や個人間でモノやサービスを交換すること。ここで覚えておきたいのは、米国IRTAは物々交換を課税対象とみなしていることだ。そのため米国では物々交換も記録を残さなければならない。

日本ではどうだろうか?

バーター・エクスチェンジ企業(以下BE企業)は、会員同士の物々交換を仲介する第三者機関で、同時に交換されたものの価値の記録や会員の口座の管理など、銀行のような役割も果たす。BE企業は会員に口座情報を毎月報告し、年度末には課税額も報告してくれる。通常、地域ごとに運営され、ホームページ上で今、交換可能なモノやサービスのリストを見ることができる。あなたが他の会員から何かを購入すれば、あなたの口座から料金が引き落とされ、誰かに売れば、あなたの口座に入金される。

BE企業を介すれば、より多くの会社と取引ができる。センターはなく、多くの取引は1対1でもない。電気修理会社がプリンターと配送サービスとを交換したラジオ局と取引するといった具合だ。地域経済が活性化し、センターとしての東京の役割はなくなる。

BE企業は入会費と取引手数料、口座管理料で賄われる。組織によっては毎月の「貯蓄」料を取って会員同士の取引を促進するところもある。BE企業を使う大きな利点は、複数の個人や会社と順繰りに取引ができ、その詳細を自分で管理しなくてもいいことだ。BE企業は地域にもオンラインにも存在する。自分の地域のBE企業を見つけてみよう。こうした団体のmixiやFacebookのページなどから他の地域ビジネスと関わることもできる。そしてその地域のグループが、もっと大きなオンラインのグループに所属していることも。そうなれば日本全国、欧米…、世界中の人々と物々交換ができるようになる。

では物々交換への課税はどうなる?もし課税を免れた場合、国はどこまで罰することができるのか?そして…もし宇宙に存在する他の知的生物と物々交換したい場合、どんな手段を使えばいいのだろう?

USドルだろうか?


謝辞:このページは、一般社団法人全国信用金庫協会のご厚意により、業界機関誌「Monthly信用金庫 2018年4月号」掲載の本稿を転載させていただきました。